大崩壊時代を生き抜く~新時代に向かって~

MMTという危機

お金

MMTという言葉を最近耳にする方が多いのではないでしょうか。

現代貨幣理論と言って、
交換価値ではなく、信用によって貨幣は成り立つという理論で、
国家の徴税権が裏付けとなって、
負債が貨幣を生み出すと考えられています。

通貨発行権を持つ国家が、国債を発行して財政支出をすると
預金が生まれると考えられ、
国が国民金融資産から借金をしたのではないというものです。

だから、いくらでも国は国債を発行して財政赤字を拡大できる
ということが、その主張の大きな論点となっています。

だから最近巷でよく聞くのは、
MMTで国はいくらでも財政赤字を拡大できるのだから、
どんどん国債を発行して、
国民に金を配って生活を守りなさい、
という主張です。

私はこの考えに国家の危機を感じています。

その理由をまとめると下記のようになります。

①国民精神を第一に考えた時に、最悪の結果を生み出す。

②ハイパーインフレの危険性が出ても、財政支出の縮小は困難である。

①から説明します。

MMTは理論としては正しいと考えます。

しかし、これは経済至上主義的理論であり、
国民精神を第一に考えた時には全く正しくない理論になります。

最悪の結果を生み出すとは、
国民の欲望を引き出しすぎ、
自制心や自立心を破壊してしまうことです。

どのようなものかを、令和2年度の日本の予算でいうと
歳入総額約102兆円の内、税収等が約70兆円です。
約32兆円は国債発行(借金)により賄っています。

今私たちの行政は、私たちが払っている税金以上の事業を、
借金によって成り立たせているということです。

その結果、私たち国民は、国はいくらでもお金があると思い込んで、
あれやって、これやって、と求めてしまうのです。

そしてそれに政治家は答えます。

あれやりますこれやります、って。

ただ、これがMMTだと、
いくらでも財政赤字を拡大していいんだし、
デフレ脱却のためには、全然財政支出が足りていないのだから、
もっとやりなさいと言うのです。

なんだったら財政赤字はいくらでもできるんだから、
毎年100兆円ぐらい国債を発行して
国民に月10万円配り続けてよ!
というような感じです。

理論的には可能なんでしょう。
しかし、本当にそんな国でいいですか。
そんな国民でいいですか。

国民の精神を第一に考えたとき、
この理論は全くもって厄介な存在なわけです。

 

次に②。

MMTはデフレ脱却のための理論としてよく使われていますが、
インフレ率が4%程度に達したら、財政支出を縮小しなければいけません。

その財政支出の縮小が非常に難しいというのが、
もう一つの私の考えです。

泉佐野市は、およそ10年前
夕張市の次に財政難の自治体となりました。

そのため、様々な行政サービスを縮小しました。
水道料金などの値上げもしました。
公務員の給料もカットしました。

そのすべてにおいて、
大きな抵抗がありました。
図書館の開館日を一日減らすだけでも、理解を得ることには大きな苦労がありました。

MMTを主張する経済学者は、
数字や理論でしか物事を見ていないので、
ハイパーインフレの可能性が出てきたら、
財政支出を減らすことなんか簡単にできると言います。

ですが、人間というものを理解している人から見れば、
私たち人間が一度味わった蜜をやめるには、
かなりの苦労を強いられることを知っています。

そのため、経常的な財政規律はやはり重要で、
デフレ脱却のために財政支出を増やすことに賛同したとしても、
すぐに縮小できる一時的な支出に限定するべきであると考えるのです。

以上の2点がMMTを危険だと考える私の理由です。

 

しかし、MMT派も財政規律派も今後は同じ行動を取ると私は考えています。

コロナの影響で国民の生命と経済を救うためには、
財政支出が必要です。

これはどちらの考えも同じでしょう。

そして、コロナの影響には第2波、第3波が予測されますから、
今回のような支援支出は2度3度と訪れることが考えられます。

するとかなり大きな財政支出をすることになるのです。
これはMMTによるデフレ脱却を主張していた人にとっては、
追い風となります。

この規模は、インフレへの圧力を大きくかけることになるでしょう。
自粛状態では、インフレに転じることは難しいと思いますが、
インフレが始まるのは、コロナ後です。
おそらく1年~3年先です。

その時、かなりのお金と我慢を国民は貯めこんでいるでしょうから、
インフレは一気にやってくる可能性があります。

ハイパーインフレの可能性が出てくると、
財政規律派はもちろん、赤字国債発行をなくそうとしますが、
MMT派も赤字国債発行をなくそうとします。

だからおそらく同じ結果になると考えています。

一番危ないのは、
この第1波で一気に100兆も200兆もお金を使ってしまうことです。
そうすると第2波3波でも同規模のことをしなければいけなくなりますから、
かなり危機的な財政、経済となることが考えられます。

さらに、現状インフレ状態の他国では、
コロナの救済のために多くの財政支出をしていますから、
ハイパーインフレになる国も出てくるのではないかと思います。

通貨発行権を持たない国では財政破綻もあると思います。

そういった危機がおそらく来年再来年にやってきますから、
あらゆる危機を予測しながら、
極端な理論に乗りすぎることなく、
政府にすべてを任せるのでもなく、
国民一人一人の強い意志によって、
乗り越えていく必要があると考えます。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で