参院選の結果から日本社会の変化について考えてみたいと思います。
最も大きいのは参政党の大躍進ですが、これは戦後に背負った占領政策からの脱却をぼんやりとでも思っていた人達の心に響いた結果ではないかと思います。
憲法改正を党是とする自民党がこれまでそこを担っていたはずだったのですが、出来る機会があったはずなのにやらなかった。しかもどんどん左傾化し、もはやリベラル政党かという方向に行ってしまった。
そこに日本の真の独立を目指していそうな参政党に、深層として魅力を感じた人が増えたのではないでしょうか。
特にこれまでテレビに出る要件が国会議員5人とされていて表に出てこれなかった参政党が、梅村みずほさんの参画により5人になり、選挙直前ではありましたがテレビに出て主張を繰り返すことになったことが、飛躍に繋がったのであろうと感じます。
戦後が特にではありますが、明治の前から欧米列強の侵略もしくは開国要求への脅威から日本を守ってきたことを考えると、今もグローバリズムという聞こえの良い形に変わっただけで、外圧から日本を守るという島国の日本人的保守性が、外国人政策という所に響いたのかもしれません。その象徴が賛否を生んだ「日本人ファースト」だったのだと思います。
また国民民主党の躍進については、やはり国民生活の苦しさを止めてくれるという期待だと思います。
税金も社会保険料も国民の知らぬ間にじりじりと上げられていて、いつの間にか凄く苦しくなっていた。そのような中で、物価高騰が来て、もう無理!という民意が変化を求めた。
そして国民負担を上げ続けてきたのは誰だ?となった時に、安定を守ってきてくれたと思っていた自民党と公明党が犯人だったと気付いたのではないでしょうか?
多数の政党が負担軽減を訴えましたが、既に国民民主党はこのカテゴリにおいてはブランド化を成功させており、このような気持ちを代弁してくれる代表格として支持されたように思います。
維新が伸び悩んだのは、社会保険料に特化して訴えたことで国民には伝わりにくかったのと、政策を絞りすぎて国政政党としては小さく見えたのではないかと感じます。
もう一つ驚いたのがチームみらいの台頭です。なんとも見事にひょこっと1議席獲得。これはかなり凄いことです。
これは政治家に未来を任せるより、AIに任せた方がより良い未来を築いてくれるんじゃないの?というところに国民が可能性を感じたのではないかと感じます。
既得権益とか裏金とかドロドロした政治というものに国民は辟易していて、変えてほしいけどそういう視点では任せられそうな政党もない。
ChatGPTなどを既に使っていて、その凄さに驚いている人達は、私欲に流される政治家より、AIが国民にとって正しい判断をしてくれることを知っている。
今の政府や行政は、デジタルの使い方があまりにも下手くそだし、大企業への委託や補助金にお金は垂れ流すし、それに比べてチームみらいは汚いことにAIを利用する政党ではなさそうだし、一度任せてみようか、という期待のように思います。
このように私が勝手に感じたことを書きましたが、これはあくまでも個人的な感想です。
みなさんの感じ方とは違うかもしれませんので、個人的な視点ということでご容赦ください。
しかし、選挙というのはカテゴリー戦略が非常に大きいなと感じました。
各カテゴリーの一番手が目立ち支持を受ける構造で、そのカテゴリーは誰が作っているかというと、やはりまだまだテレビや新聞なのだと思いました。
今回不安に感じたのは、一極集中で地方が衰退していることや、不登校や自殺をする子供が多くいたり教育の価値観が大きく変わろうとしていることなど問題が山積しているのに、地方政策や教育政策についてほとんど耳にすることがなかったことです。
争点にされたことも重要ではありますが、メディアはこれらをほとんど取り上げていませんでした。もちろん各政党はあらゆる分野に及ぶ政策を打ち出してはいますから、どこを取り上げたかの問題であり、SNSという手段を国民が持てるようになったとはいえ、結局マスメディアが作り出した争点に踊らされたようにも見えてしまいます。
物価高騰対策についても、物価高騰だけを解決しても経済が再興するわけではないのに、こればかりが取り沙汰されました。本当に経済や所得を豊かなものにするにはどうすれば良いのか、ということを根っこから議論する必要があったと思うのは私だけでしょうか?
2万円配るのか、食料品の消費減税か、消費税廃止か、というだけの議論で日本は良くなるのでしょうか。
教育や子供のことをもっと議論するべきではなかったでしょうか。
もしくは外交や安全保障について、もっともっともっと議論することが国政なのではないでしょうか。
なんと平和な国なのでしょうか。こんなことをしているうちに、いつの間にか平和は失われていくのではないかと不安になります。
衆議院でも参議院でも自公政権が過半数を持てなくなり、これからの政治はおそらくかなり混乱することになると思います。
どこが政権を握ることになるのかわからなくなりました。
国会というものが本当に日本国民のために機能するのであれば、意見や政策の違いはあってもより良い合意形成を議論し、トップはそれを汲み取りながらまとめ上げていくことになるべきであろうと思います。
過半数を取ったからといって多数決でやりたい放題していく時代は終わりました。これからはこの日本のためになる最高のリーダーを決めてもらう必要があると思います。
実は地方政治では、これが当たり前に行われています。議員時代は政党に所属していた人も、市長選挙で無所属で出馬する人が多いのも、様々な主義主張や要望を聞いて、調整していくことが求められるからです。
ですが、国政ではこれがありません。常に選挙で勝つことが意識されて、議席をいかに増やすかばかりが求められ、日本を良くすることは二の次になっているように思います。とにかく単独過半数が必須。政党助成金も非常に多額が交付され、自民党だと130億円を超えるお金が毎年入ります。それだけでなく企業・団体献金が20億円以上、個人献金や政治資金パーティー、さらには裏金まで。とにかくお金を集めて選挙で勝つということが行われてきました。
これでは日本は良くならない、ということは冷静に考えれば誰でも感じることではないでしょうか。
でも負けたら全てを失うからやめることが出来ないのだと思います。
私は自分の選挙では、戸別訪問をせず、お願いして投票してもらうことはしません。政策をとにかく訴えて、その政策がどれだけ市民に求められているかを測るのが選挙であり、健全な政治が行われる条件だと思っているからです。自分とは求める政策が違う人に、お願いして票を入れてもらっても、その人が望む政治にはならないからです。
出来れば国政政党には、そんな考え方で政策を訴え、支持されなかったらそれだけのニーズしかないのだと諦めてもらうぐらいが良いのだと思います。政策ではなく、勝つために手段を選ばない選挙をすれば、政治は間違いなく歪められていきます。
国会議員の方々には、考え方の違う人とも徳を持って議論し合い、日本の未来のため、子供達のために、混乱を乗り越えていただけることを切に願います。
ペリー来航から172年
大政奉還で王政復興してから158年
廃藩置県で中央集権が進められてから154年
寺子屋・私塾から小学校に変わり義務教育化されてから153年
土地の税金や所得税、法人税が徴収されてから152年
日清戦争が終わって130年
日露戦争が終わって120年
第一次世界大戦が終わって107年
第二次世界大戦が終わって80年
GHQに指示されて改正された日本国憲法が公布されて79年
1945年〜1952年のアメリカによる占領が終わって73年
バブル崩壊からおよそ35年
このように見ると、今当たり前と思っていることも、ずーっと続いてきたことではないのです。
例えば廃藩置県で中央集権を進めたけれども、もしかしたら藩ぐらいの規模にして、地方へ自立分散した方が良いかもしれない。
義務教育化が良かったのかどうかすらわからない。自分達の子供は自分達で育てるという地域主権による方が、国家が制度化して一律の教育をするより良いかもしれません。
様々なことが見直しの時期に来ているのが、この参院選で現れたのかもしれません。
そこに我々国民がちゃんと気付いて、現実維持ではない選択を行なったと見るのが、最も重要視するべきことなのではないかと思います。
常識を疑って、これからの日本を豊かに出来るよう、一人一人が考えていくことが本当に大切になってきているのだと思います。
(思うがままに書いたので、かなりの乱文だと思います。)