公明党が連立政権離脱とのこと。歴史的な大転換点になるように思えます。公明党に足を引っ張られていたから良かったじゃないか、という声も聞こえますが、公明党が政権を放棄してまで「政治とカネの問題」改善にこだわった、という点を直視すれば、強い覚悟で良い政治を望んだ、とも受け取れます。
政治への企業団体献金を規制しようという主張、裏金まで手を出す自民党の体質を変えてほしい、という思いは国民としてはほとんどの人が共感すると思いますが、自民党はそれを飲めなかった。これは大きな出来事で、今後の政界は下記のように変化していくのかなと思っています。
まず第一に、献金をもらうしがらみ政治を進める政党と、献金をもらわない政治を進める政党とで軸が分かれると思います。
日本全国どこを見ても、政治権力には企業や団体がこびり付き、仕事を渡す見返りに献金や寄付をしてもらったり選挙で応援してもらうという政治が存在します。そういう所に無縁の人達は、選挙に関心を示さないから、一生懸命応援する利権側が勝ってきました。
私は小さな一地方議員の立場ではありますが、寄付をもらうことや、利己的な要望を聞いて票を稼ぐことをしてこなかったのは、こういう政治の行く末が国の政治の腐敗に繋がると考えているからです。
寄付で政治活動が成り立つ状態になってしまうと、もう抜け出すことはできません。
政治家が「ご要望があればいつでもお聞かせください」とか、「こんなに予算を引っ張ってきました」とか、御用聞きで仕事をしているかのようにアピールしているのを聞くと、心底政治の質の悪さを残念に感じてしまいます。
企業の取締役が社員の要望聞きばかりをしていたら、会社は成長しないでしょう?
しがらみを是として、選挙に勝つことを最上位に置いた政治家の価値観が、日本の政治を悪くしているんですよ、と。
そしてその利権構造は拡大し、国内利権に留まらず、海外の資本に牛耳られる所まで繋がっていきます。
しがらみの上に成り立った自民党的政治体制を選ぶのか、そういうものとは縁を断ち切った政治体制を選ぶのか、大きな二軸になるのではないかと思います。
だから今騒がれているような自民党系か民主党系かという二分にはならないと思います。民主党系も労働組合とかしがらみは断ち切れないので。
利権も国民の声ですからどちらを国民が選ぶかはわかりませんが、これはおそらくしがらみを断ち切る方に軍配が上がるだろうと思います。
だから公明党は最終局面で、先を見据えた選択をしたように感じます。
そして、その二軸の中で、どちら側にも右から左までの思想を持つ政党が複数出てくるのではないでしょうか。自民党も良い議員さんはたくさんいるので、分裂するんじゃないですかね。
もう巨大な一党独裁ではなく、政策の多様な複数の政党でも、日本を良くするという方向に向かって、話し合いを重ね、良い判断に到達できる共生の輪ができれば、良い日本は創れるのではないでしょうか。
それが出来ないのは、利己的な資本や組織が政治に影響を与えていたからです。
公明党の離脱は、この点に変化をもたらす歴史的な大事件ではないかという気がします。
ただし、公明党も宗教団体などのしがらみがあるので、しがらみがない側にはなれないのではないかとは思います。
いずれにしても日本は、血を見るような大混乱の時代になりそうですが、清浄化への道を歩み始める転換点に入ったと思います。
このような中で、私が考えるのはやはり「地域」です。利権が絡む政治の混乱の影響を最小限にするためには、自分達の地域を自分達で良くするんだと、そこに一生懸命に力を注ぐことで、争いよりも協調や共生が自然と育まれると思います。
政治に無関心にはならずに、ちゃんと投票という政治参加をしながら、地域のことを一生懸命に考える、という行動で混乱期を乗り越えていきましょう。
そういう意味ではもう一つ大きな軸があるかもしれないと思っています。
それは中央集権か否かです。中央から地方に権限を逆転させる軸が出てくるように思っていますが、それはまだもう少し先のことであるとは思います。