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議員定数削減=どんな国政にしたいか

自民党と維新の連立協議が行われ、維新の絶対に譲れない項目は、議員定数の削減ということで協議が進んでいるようです。
715人いる国会議員を50人程度減らす考えで、比例議席を減らすことが議論されているとのこと。

これに対し、少数政党からは比例を減らすと新しい政党や少規模政党が議席を獲得しにくくなり、国民の声を得難い国会になってしまうといった反対意見が聞こえてきます。

私の考えとしては、議員定数を減らすことは大いに結構なことで、50名と言わず150人ほど減らしてもらえたらと思います。
比例で減らそうとしている50名に加えて、100名ほど小選挙区の議席を減らしてはどうでしょうか。

議員定数について考える時に大事なのは、国民の意見をどのように反映する政治を作るか、ということです。
衆議院選挙は小選挙区選挙と比例代表選挙とが並立して存在します。
小選挙区は各選挙区で1人しか当選しない仕組みですから、各地で一番支持された政党の議員しか誕生しなくなります。
また、比例代表選挙は各ブロックごと(近畿ブロックや北関東ブロックといった形)に定数が決められており、各政党が得た票数に応じて議席が配分されます。各政党が得た議席に対して、当選となるのは、各小選挙区選挙で落選した政党候補者の中で当選者との差が小さかった人から順位が付けられる仕組みです。
これがゾンビ議員と言われるというものですね。

小選挙区の区割りは主に人口で分けられていて、大体30〜40万人ぐらいが一選挙区となっています。
なので2人しか当選できない県もあれば、東京なんかは30人も当選するという分け方になっています。
一票の格差とか言ってこのような定数改正が行われてきましたが、地方を重視する私は人口で分けることに問題があると考えています。
都市部一極集中化を加速させてしまい、経済重視が過度に進み、農村部などの生活は国会の中でとても小さな声になってしまいます。

私は一票の格差よりも都市と地方の格差を縮めるべきだと考えていますので、議員定数を削減するべきなのは、比例だけでなく、都市部の議席だと考えています。
私の議員定数改善案を画像にしていますが、都道府県ごとの定数上限を15とし、12議席以上ある都道府県を3割削減してはどうでしょうか?

◯現行衆議院議員数:465人(小選挙区289人、比例176人)
◯現行参議院議員数:250人(選挙区150人、比例50人)
↓↓↓
改善案
◯衆議院:311人(小選挙区185人、比例126人)

※衆議院の比例代表制度は落選者を復活させる仕組みとなっており、ブロック比例は参議院議員選挙の全国比例と同じ制度に変更した方が、全国の政党支持率に応じた議席配分が行われ適していると考える。
※議席数削減は政党の支持状況を現す比例よりも、小選挙区に偏りがあるため、小選挙区からの削減を多く行うべき。
※小選挙区議席数は対人口で配分され、都市部一極集中に偏りすぎており、地方を重視する観点からは日本全国の意思を尊重できるよう都市部を削減。

減らしすぎという場合は、一県で地方の2人とか3人とかしかいない定数を増やしてほしいと思います。
もしくは選挙区で3人ほど当選者を出せる区割りにしましょう。

また、参議院は元々議席数250人と少なく、半数ごとに改選を行うことで新陳代謝が適度に生まれているため、現状維持として良いと考えています。

それと、ここでもう一つとても重要なのが、国政と地方政治との違いです。

国政と地方政治では全く成り立ちが違うので、そこを押さえておかないといけません。
国政は、国会議員の多数から総理大臣を選出するので、一強独裁性が強く、議会の反対により否決されることはほぼないものとなります。その分政策実現スピードは速いというのが特徴でしょう。その反面、対立が常となり、政権を取っていない政党の意見は取り入れられにくものとなります。

地方政治が違うのは、市町村長は議会とは別の選挙で選ばれますので、議会の多数派がトップを取る仕組みではなく、議会は首長の監視や審議を適切に行うことになり、首長と議会が車の両輪として機能しやすい仕組みとなります。
また当選するのも、大体20人とかになるので、各党の議員だけでなく、無所属議員も多数存在しますので、とても多様な市民の声を反映することができます。

この間にあるのが、都道府県政で、特に大阪府議会はほとんどの選挙区で1人しか当選できない仕組みへと議員定数を削減してきましたので、ほぼ維新の議員で占められ、知事へのチェック機能は弱いと考えられます。
その分改革はいくらでも出来る一強独裁的な性質が強くなります。

ちなみに大阪府議会の議員定数は下記のように変遷してきました。
【平成30年以前】109議席(うち33選挙区が一人区)
【平成31年】88議席(うち48選挙区が一人区)
【令和5年】79議席(うち53選挙区が一人区)
このように一人しか当選しない一人区の比率がかなり上昇していますので、政権としてはとてもやりやすい状態となっています。

この議論は、改革スピードを求めるか、協調政治を求めるか、という見方をすると良いのではないかと思います。
イメージは二輪で進むバイクか、両輪で進む車といった感じです。

 

あと、一つだけどうしても違和感を抱いてしまうのは、

吉村知事が府議会議員定数の削減を実績としてアピールしていることです。
地方議会というのは、知事に対して、府民の税金の使い方や行政運営をチェックする立場の存在であり、知事の管理下にある組織ではありません。
府庁の管理職を削減しましたというのとは全く訳が違います。チェックしてもらう議員を減らしましたとアピールしていることになりますから、これは知事の立場で言うと違和感があります。
党代表のお立場でおっしゃっているのだと思いますが、このような話は藤田共同代表にお任せした方が良いのではないでしょうか。

もし泉佐野市長が議員定数減らしましたとアピールし出したら、強い違和感を覚え、議会からは総スカンを喰らうでしょうが、府議会はほぼ維新議員で固めてしまっているので、そのような感覚を失ってしまっているのかもしれません。
そのような観点から国会に関しても、改革スピード優先で政権側が定数削減を声高に叫んで良いのかという違和感が残ります。
この問題提起は良いと思いますので、ぜひ政権側ではなく、国会にて議論と改革を進めていただきたいと思います。

冒頭でも書きましたが、私は積極的な削減には賛成ですから、改革への情熱を絶やさず、少数政党が国民の声を代表できるバランスの良さも意識して、改革へと繋げてほしいと思います。

 

また今の日本の政治の酷い状況を見ると、国会議員の報酬の減額もぜひやってもらいたいですし、企業団体献金の規制も必ずや実現していただきたいと思っています。
私の考えは議員定数は「適正に」、議員報酬は「成果連動」です。

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