地域経済・共生社会

泉大津市「コメを守る挑戦」

火曜日に泉大津市で開かれた食と農の勉強会に参加しました。
南出市長、鈴木宣弘先生、雑賀慶二氏(東洋ライス社長)のコメを守るためのお話はとても貴重なものでした。
都市部である泉大津市には農地がほとんどなく、複数の市町村と連携して、給食などのお米を確保しています。農家さんを直接支え出口を安定させることで、農業を守る素晴らしい取り組みです。
経済効率化の果てに人口や経済が集中した都会が、さらに安いものを追い求めるのではなく、都会の責任として適切な価格を保証し地方の農業を守る取り組みは、全国の都会にも広がってほしい素晴らしいものだと思います。
鈴木先生は、日本は既に飢餓国になっているとおっしゃっていました。食料自給率を下げに下げ、農業を守らず、米の生産も減らし続け、アメリカの要求を受け入れ続け、他国からの輸入なしではもう生きていけない国になりました。
こんな政策の何が良かったのか僕にはわかりませんが、そんな政党を選び続けたのは私たち国民です。
このまま信じ続けて良いのか、自分達の地域を守らなくて良いのか、よく考えなければいけませんね。
雑賀社長からは驚くお話をお聞きしました。白米にはなんと栄養素がないそうです。精米して大切な栄養素が除去された炭水化物でしかないのだと。
社長は昔病弱で、いろいろ調べて玄米を食べることにしたそうですが、美味しくなくて3日ももたない。精米機械の技術者をしていたので、白米のように食べられるけど栄養素もしっかり残せる技術をつくり、金芽米を開発したそうです。
質問はできていませんが、精米を8分とかにしても良いのですかね。
連携している市長さんも10人ぐらい参加されていて、これから米を守るための国民運動を起こすというお話もあり、とても期待したいと思いました。
また熟成保管技術というものを東洋ライスさんは開発しており、古米はなくせるとおっしゃっていました。5年ぐらい保管された米と新米を比べると、熟成された方を新米と答えた人が多かったとのこと。
南出市長はこれに取り組んでいくとおっしゃっていました。
どの市町村も防災備蓄でアルファ化米を備蓄していますが、米を備蓄する方が良くなりますね。さらに頼りにならない政府の備蓄米は当てにせず、各市町村で市民の安全保障または飢餓対策を目的として米を備蓄した方が良いと思います。
鈴木先生は、備蓄が国民の2〜3ヶ月分しかないのは日本だけ。海外は一年分備蓄しているとおっしゃっていました。
日本人の主食であり精神性の源である米を守る、そして米を作る農業を守る、ひいては国民の生命と健康を守る、という信念を感じさせていただけた素晴らしいシンポジウムでした。
経済合理性を推し進める政府やメディアまたはそれらのスポンサーである大企業の目眩しに流されず、地域目線で自分達の大切なものをしっかりと守ることのできる国づくりを行いたいと思います。

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